モモ
伯母宅親戚に急な不幸があり
1日留守にするため、母が犬のご飯を頼まれた。
しかし忘れてしまい
晩飯中に「あっ!!!」と、急に思い出した。
もう暗いので同行を申し出た。
伯母宅の犬は柴犬で、名はモモという。
満17歳を過ぎ、実は昨年の夏の段階で
うちのナツよりも先に逝くのでは?と言われていた。
耳は遠く、目も見えず、匂いもやっと。
立って歩くこともままならず、排泄もいわゆる
垂れ流しという状態だった。
が、予想に反して酷暑を乗り切り
年末にナツが逝ってもモモは逝かなかった。
そんなモモに久々の対面だ。
それはそれはすごかった。
目は白濁し、でも大きな声で名を呼んだら
ご飯の匂いが分かったのか立ち上がろうとした。
そして食べる様がすごかった。
ステンレスのボールに顔を突っ込み
闇雲にかぶりつこうと、ガシッガシッと歯で音を立てる。
ボールはその際の噛み跡ですでにボコボコ。
ボールを回しながらフードがあるところを口に近づける。
鼻からフードまみれ。下手に手を出すと噛まれる。
隙を見て寄せながらなんとか食べさせた。
最初は不憫で涙が出て来た。つらかった。
でもそのうち、がんばれ!がんばれ!モモ!と言っていた。
母だけじゃやっぱり精神的にキツいだろう。
明日の朝も早めにつき合うことにする。
50.6/22.8